僕は、君との最後の思い出に海を選んだ・・・。 18歳の僕たちの、最後の思い出は 真っ白な雪の世界だった。 はく息までも白い、 何もかもが白い白い情景のなかで 無邪気に輝いていた君の笑顔。 もう僕はあのときの君を二度と忘れたりはしないよ。 そして・・・ 今の僕たち・・・ また最後の思い出を作ろうとしている。 今度は、海・・・。 真っ蒼な海と空にとけこんで微笑む君。 すっかり大人になったはずの君なのに、 あの時以上に僕を必死に追い求め、 笑いかけてくるそのまっすぐな目を・・・ 蒼い蒼い、情景のなかで輝く君の笑顔を・・・ 僕にむけられる最後の君の笑顔を・・・ 僕はいつまでも、この心にとどめておくよ。 どこまでも続く砂浜。 僕たちを優しく受け入れてくれそうな、やわらかい感触。 あの日、雪をふみしめて二人の足跡を残したように、 優しい砂浜に僕たち二人の足跡を残すことができたよね。 僕たちだけの足跡を。 最後の思い出が、海ならば・・・ これから先、どんなに離れたところから 君を想っても、 僕の前に海を感じることさえできれば・・・・ かならず、君の笑顔を その海の蒼さとともに思い出すことができそうだ。 君に続く永遠の海・・・・ 永遠に続く君への想い・・・ 僕たちが一番好きだった色は 白 神様の、僕たちへの最後の贈り物なのかもしれないね。 かもめが僕たちの周りを舞い、 目の前の空が、真っ白に輝いた。 あの日の雪のように、僕たちの大好きな白い色に輝いた。 だから、 僕は、涙を見せずに笑うことができた。 僕は、君に心からの笑顔をむけることができた。 この一瞬・・・・。 この日の海の蒼を、 かもめたちの白を、 君の笑顔を、 僕は永遠の思い出にしよう。